あるときはITコンサルタント、あるときはキャンプ評論家、あるときはグルメレポーター、あるときは歴史マニア、そしてあるときは古典文学教師という得体の知れない男の創作練習帳です。
3連休はちょっと暑かったですが、全般に涼しくなってきました。

怪談、今年は店じまいにして、本来得意なハートウォーミングな話(ただし、ぼくも含めて誰も見たことがない)でも書こうかなと思っていたのですが。

M嬢から、またネタをいただいたので、載せることにします。

M嬢といっても、その手の風俗で働いている人ではないのです。たんにイニシャルです。



場所は、覚えてないそうですが、神奈川県の方だと思います。

横浜に住むM嬢の先輩が、ロクでもないところに行きました。

水子地蔵が、サークル状に並んでる所があるらしいんです。

先輩とその友達の二人で、車で出かけました。

その場所は、階段の上にあるのだそうです。車を置いて、二人は階段を上りました。

わざわざ夜中に行かなくてもいいのに、真っ暗な階段を上ったんだそうです。

上りきると、サークル状の広場があって、無数のお地蔵様が。

尋常じゃない数なんだそうです。

あまりの恐ろしさに、せっかく見に行ったのに、すぐに二人で駆け下りてしまいました。


一目散に、車に駆け乗り、大慌てで、車のドアを閉めた瞬間・・・


「ドカドカドカドカ」

はっきりどころか、うるさいほどにガラスをたたく音がしました。

みるみる間に、赤ん坊の手形や足形が、車のフロントガラスにも、サイドガラスにも、リアガラスにも・・・

先輩はとにかく車を走らせると、なんとか友達の家まで帰り着き、二人で眠れぬ夜をすごしました。

翌朝、車を見に行くと、ボディにうっすらと、力なく、すがるように、触れたような手形が一つだけ残っていました。


M嬢の話は、例によって本当かどうかよく分からないんですが、この手の話はよく聞きます。

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今、石が流行っているようですね。

スピリチュアルなんだそうです。

石に魂が、なんて思いますが。

実は、ぼくはもう30年以上前の小学校高学年の時に、石を集めるのが趣味でした。今思うと、進んだ子供でした。

宝石というよりは、鉱物に興味があったのです。

花崗岩とかチャートとか、つるつる、ピカピカしてるのが好きでした。

ところが、この事件を境に、パタッとやめてしまったのです。


夏休みだという記憶があるので、お盆のときでしょう。

天王寺にある父方のお墓へお参りをしました。

お花をあげて、線香をあげて、水をまいて、それで帰ればなんともなかったのです。


キリスト教のお墓がありました。

日本のお墓は、墓石をそびえさせる形にしますが、キリスト教のは天に向けておいてあります。半分埋めて。

子供心に珍しく、じっと観察しました。

すると、お墓の横に、なめらかな形の石が落ちていました。

お墓の飾りとかそういうものではなく、自然の石でした。色はグレーだったと思います。

格別きれいというわけでもないのですが、薄く磨いている感じの形に心を惹かれて、ポケットに入れてしまいました。

年寄りもいるので、帰りはタクシーでした。タクシーの中で、すでに悪寒がしてきました。

おじいさんの家についたら、もうフラフラでした。

高熱です。すぐに布団を敷いてもらいました。

夜になっても、なかなか熱がひきません。

おばあさんがやってきて、

「あんた、なんか墓から拾ってきたんとちがうか?」

と聞くので、石の話をしました。

「ああ。それや。あかんで。一緒に川まで流しにいこ」

熱があるのに、車に乗せられて、神崎川にかかる橋の上から、石を投げさせられました。

家に帰ったときには、熱がひいていました。

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M嬢が実在の人物か質問はなかったのだけど、実在の人物です。

そのM嬢が昨日の話と一緒にもうひとつ教えてくれたのが、この話です。


まあ、良く聞く話なのでぼくは信じてませんけど。格安の家賃の部屋に住んでいる人は読まない方がいいかも。


M嬢の高校生のころの話だそうです。彼女の友達が彼氏と同棲を始めようとしたらしいんです。家出したんですね。

保証人もいないもんだから、不動産屋も門前払い。普通そうですよね。

ところが、一軒だけ歓迎してくれた不動産屋があって、格安の物件があるというんです。

月島・築地あたりらしいんだけど、意外と安いところあるんですよね、あの辺。でも、それにしても格安で。高校生カップルでも全然問題ない値段だったらしい。

で、見に行ったんだけども。

なんか二人とも霊感があるみたいで。

あ。ぼくはちなみに霊感なんて信じてませんが、一応あるということでお願いします。

感じたんだそうです。


いるって。


それで注意して見まわしたら、天井に隙間が。

押入れの天井が開くとかいうのは分かるけど、ふつうは天井なんか開かないですよね。

で、脚立を持ってきてもらって、開けてみたら。


首吊りのロープがかかってたんだそうです。


なんてことない話ですけどね。事前に気づいてよかった。

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こんな話ばかり書いてるけど、ぼくは幽霊とか祟りとか信じない方です。

生きてる人間のほうが断然怖いと思うしね。

たいがいの恐怖体験は、自分の脳みそが作り出してるという信念も持ってます。

墓場の真横に下宿してたときは、よく金縛りにあったり、名前を呼ばれたり、手を引っ張られたりとかあったけど、だいたい寝不足で頭が弱ってるときとか、分かりやすいタイミングでしかならなかったから。

M嬢が語ってくれたような話は、説明がつかないので、本当だとすれば、怖いものがあります。


M嬢が大学生時代というから7,8年前ぐらいでしょうか?

夏の夜中に男二人、女三人で由比ヶ浜までドライブしたんだそうです。

鎌倉って、夜中やばそうな気が確かにします。

トンネルを通ったんだそうです。

ふつうはトンネルで怖い話がありそうなんだけど、無事に通りぬけられました。

トンネルを抜けて1キロも走ってない頃。

M嬢には、馬のひづめの音が聞こえたんだそうです。でも、気のせいということにしていたら。

運転手と助手席の二人の男の様子がなんだか変になったんだそうです。

「どうしたの?」
と後ろの三人の女性が聞くと、助手席が、
「後ろ見てみろ」
というので、振り向いたら・・・

サイアク・・・

首のない、血まみれの落武者が馬に乗ってるんです。

アクセル踏んでまこうと思ったのだけど、真横に並走されちゃったんだそうです。それを5人とも見ていた。

しばらく並走されていたのだけど、コンビニとかがある明るい所に近づいてきて、ようやくひづめの音が後方に遠ざかっていったのだそうです。


5人とも見ていたって、これは説明つかない。

M嬢がぼくをかつごうとしている可能性が一番高いのだけど、そういう嘘をつく子でもない気がするんです。

だれか今からその辺の道をドライブして確かめてくれませんか?



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首なしライダーの話はご存じでしょう。

というより、あなたの周りには、あなたの首なしライダーの話があると思います。

だいたいは、暴走族を苦々しく思った住民がしかけたピアノ線に、暴走族がひっかかって首が飛ぶというパターンですが、大阪市の北の方にある大きな公園で伝わる話は、ひとひねりされてました。

暴走族を苦々しく思って、住民がピアノ線をしかけるまでは一緒なんですが、ひっかかったのが白バイだとのことなんです。

それ以来、その公園では、首なしの白バイが走るんだそうです。

まあ、大阪の「ポリ」ぎらいが生んだ話だと思われます。


でもね、夜中に首のない人が運転してるバイクが走ったのを見たからってどうなんでしょう?

それが、自分めがけて襲いかかってくれば、話は別だけど、そうでなければ、ただバイクが走ってるだけの話で、ぼくには全然怖いと思えません。

正直、見てみたいぐらいです。


ぼくがいやなのは、こういう話です。


京都から比叡山を通って琵琶湖へ抜ける道を山中越と言います。

こういう話の常として、その途中のどこかに精神病院があるんだそうです。

本当かどうかは知りません。ぼくは何回も、昼も夜もこの道を通ったけど、看板さえ見たことがありません。

精神病院といっても施設みたいなもので、村上春樹の小説『ノルウェイの森』に主人公のワタナベがそういう施設を訪ねて行く場面がありますが、そのモデルだと、ぼくにその話を教えてくれた人は、まことしやかに語ってくれました。


関西は、山の中を夜中にバイクで走ってはいけないところが多く、六甲山や箕面山がそうなんですが、比叡山も夜中にバイクが走りません。

ただ、比叡山で夜間バイク禁止の看板をぼくは見たことがないんですよ。

だから、この話を信じているライダー連中が自己規制してるんだって、彼は語っていました。真偽のほどはわかりません。

前置きが長くなりましたが、話はいたってシンプルです。

京都側の比叡山口から10数分上った場所で起きるんだそうです。

バイクで夕方、いわゆる逢魔ヶ時と呼ばれる時間帯に、そこを走ってると、いきなり後部座席に飛び乗ってくるんだそうです。


白い着物の若い女が

びっくりしたライダーは、曲がり切れずにガードレールに衝突するんだけど、せいぜい脚の骨を折るぐらいの怪我で済むんだそうです。ただ、飛び乗ったはずの女は、いつの間にか姿をくらましてるんだそうです。

噂では、その女は彼氏と二人乗りで比叡山にツーリングに来たんだけど、スピードを出しすぎた彼氏が、ちょうど同じ場所でガードレールにぶつかって首が挟まって、即死したんだそうです。

彼女は奇跡的に助かったんだけど、事故の発見者が通りかかったときには、首の取れた彼氏のそばで、彼女はすでに頭がおかしくなってたんだそうです。

そのまま、近所の精神病院にずっと彼女は入院しているんだそうです。



まあ、こんなのは都市伝説で、その場所を知ってるだけに、ちょっとぞっとする部分もあるんだけど、車の中での楽しいおしゃべりでした。

大学時代は、この前の桂川の橋もそうだけど、そういう噂のあるところを夜中にドライブして、怖がりなやつにそういう話をするのが流行ってたんです。

比叡山で、そういう適当な話を楽しんだ後、琵琶湖沿いまで来ました。

夜中の2時ぐらいでした。

運転してたAが急ブレーキを踏むので、「なんや、どうしたん?」と聞くと、「こんな時間に女の子が、横断歩道を」と言うのです。

確かに、8歳前後の女の子が横断歩道を渡っていきます。夏休みとはいえ尋常じゃないと思いました。

女の子が渡ったので、Aは車を発進しました。ぼくは気になったので、振り返ってみました。

すると、案の定、

女の子はどこにもいませんでした

隠れるところなどどこにもない国道沿いの見通しのいいところなんですけどね。

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